きっと日常のことだから

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「入ります」 「そうか。じゃ、お代」 俺は二人分の代金を支払い優菜ちゃんの手を引いて扉をくぐった。 入った瞬間、鼻を抑える。 「くっせー!」 優菜ちゃんが俺の手をぎゅっと握る。 「正樹くん……、これ、血の匂いだよ……」 「ああ。確かに。凝ってるなぁ。でも、つくりものだろうから」 そう言って優菜ちゃんの手を引く。 次に飛び込んできた光景に目を疑った。 仮面を被った大男二人が俺らに気付かずに人体の解体をのこぎりで行っていた。 優菜ちゃんの手はがくがくと震える。 何故かしら危険を感じて俺らは、大男に気づかれないように先に進む。 大男が見えなくなってから息を大きく吐いた。
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