0人が本棚に入れています
本棚に追加
.
田中南は、くすぐったそうに足を擦り合わせる。
それを見て、林雅也が鼻で笑う。
手は、南の太股を撫でている。
やがて、上から下へと、指でなぞる。
「今日、彼氏くんはどうしてんの?」
雅也が右の口角を上げて言う。
「ん、家で待ってる」
南の太股では、指が動き続けている。背筋にかけて鳥肌が立つのを感じる。
雅也が声を出して笑う。
「で、お前が家に帰ったら笑顔で迎えるんだろ?馬鹿だなほんと」
南は、雅也の腕についている時計を横目で見る。
短い針は11を指していた。
南は、雅也の肩を押して離れる。
「もう帰らないと。飲み会だって言ったからそろそろ」
雅也はベットの横で、煙草に火をつけた。
くわえた煙草から白い煙が上がる。
南は、床に散らばった洋服から下着を探し出して着ける。
服装を正して、髪型を整える。
雅也の背中に声をかけると、部屋を出た。
最初のコメントを投稿しよう!