第1章

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. 田中南は、くすぐったそうに足を擦り合わせる。 それを見て、林雅也が鼻で笑う。 手は、南の太股を撫でている。 やがて、上から下へと、指でなぞる。 「今日、彼氏くんはどうしてんの?」 雅也が右の口角を上げて言う。 「ん、家で待ってる」 南の太股では、指が動き続けている。背筋にかけて鳥肌が立つのを感じる。 雅也が声を出して笑う。 「で、お前が家に帰ったら笑顔で迎えるんだろ?馬鹿だなほんと」 南は、雅也の腕についている時計を横目で見る。 短い針は11を指していた。 南は、雅也の肩を押して離れる。 「もう帰らないと。飲み会だって言ったからそろそろ」 雅也はベットの横で、煙草に火をつけた。 くわえた煙草から白い煙が上がる。 南は、床に散らばった洋服から下着を探し出して着ける。 服装を正して、髪型を整える。 雅也の背中に声をかけると、部屋を出た。
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