2.カピバラ……?

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「怪我は……なさそうだね。よかった。アタシ、魔法とか使えないからさ」 その生き物は羽をたたむと、空中にお座りをした。声の感じから、純粋に俺を心配してくれていたのがわかったから、俺はそっと息を吐く。いますぐ走って逃げないといけない相手じゃなさそうだ。 いや、ここに俺、閉じ込められてたんだった。見つかった時点でもうだめだった。 「ありがとう。えっと……?」 「あ、アタシ?アタシ、うらら。うららちゃんって呼んでね」 どうもこいつは警戒心が薄い。 俺が両手を広げると、そこにふわっと乗っかってきた。 ……警戒心!!!!! 頼むから!もう少し警戒心を持って生きてくれ!!! 「うららちゃんは……モンスター?動物?」 これだけの不思議生物なんだから、動物ってことはないだろう、人語を操るのなら、高位のモンスターなのかな。うららちゃんは手の上にちょこんと座ったままだ。 いや、だから、警戒心……。 「アタシ?んー、精霊って言って、信じてくれるかなぁ?……ふぉっ?」
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