16人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
電話のことも忍のことも、両方モヤモヤした頭のまま出勤した。
午前中はなんとなく過ぎた。
ランチから戻って、受付のそばを通りかかると、何処かで聞いたことのある声がした。
「恐れ入ります。斉藤商事の三島圭佑と言いますが、片岡さんはいらっしゃいますか?」
「しばらくお待ちください」
「あ、片岡さんですか?斉藤商事の三島さんて方がお見えです…はい」
片岡さんて忍のことよね…それとあの声…
少しすると忍が降りて来た。
「おう!圭佑!急にどうしたんだ?」
『え??あの人と忍って知り合いなの?』
呆然と立ち尽くしていた私に、三島という人が気付いた。そして、忍もこっちを見た。
「え?美沙子?」
「お知り合いなんですか?」
「ああ、大学の後輩なんだ」
「三島圭佑と言います。初めまして…」
私は逃げるように、その場を後にした。
どういうこと?
最初のコメントを投稿しよう!