29(承前)

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翌日から戦闘訓練の日々が戻ってきた。  訓練にスケジュールはなく、つねになんらの予告もなくいきなり開始された。真夜中にたたき起こされ、夜明けにベッドから駆りだされ、朝食や夕食のあとようやくくつろいでいる時間に戦闘訓練の説明が始まるのだった。  敵役である進駐軍の先輩は準備万端で、戦闘意欲も高かった。無理もない。「須佐乃男」候補生から勝利を収めれば、特別休暇と臨時賞与が約束されているのだ。もちろんまだ10代の新任少尉という候補生たちへの反感や先輩としての意地も強烈だった。作戦を指揮する逆島継雄作戦部少佐は、訓練の成果をあげるためには、講じられるあらゆる手段を利用するつもりのようだった。  訓練は、候補生26人から4つのチームが組まれ、訓練成績と消耗度が競われていた。トップを走り続けるは、タツオの班だった。これまでの訓練の成績で首位を譲ったことはない。
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