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第2位は天童家の次期当主、天童航が主操縦士である。確かにジャクヤのいうとおり、ワタルの呪術は100年にひとりと謳(うた)われた分家のジャクヤほどではなかった。けれど、それを補う狡猾(こうかつ)な戦略眼とリーダーシップがワタルにはあった。タツオは戦術だけのテストがあるなら、ジョージに次いでワタルが2位に滑りこむのではないかと評価していた。もしかすると自分やサイコ、それにマルミよりも上かもしれない。
ついで第3位は目も彩な西陣織の軍服を着こなす近衛四家・萬家出身の満千留と駆化留の双子の姉妹だった。なんでも戦闘訓練のたびに萬家が開発した新しい兵器システムを試しているという。万年の4位は訓練のたびに主操縦士が変わる寄せ集め班だった。このチームではメンバーもリーダーも固定されたものではなく、足りない副操縦士を他のチームから借りるときさえあった。
タツオは厳しい訓練で精神も身体もぎりぎりまで追いつめられながら、指折り訓練を数えていた。もしあの青いカプセルによる時間跳躍が現実だとするなら、第8回の戦闘訓練で地底湖のどこかにジョージは沈んでいくだろう。訓練中行方不明となるのだ。
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