12人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
3、「鬱刑事」
警視庁刑事の大山考男(42)は、現場経験豊富で刑事部内でも「出来る男」と言われ重要な仕事を任されてきた。
しかし、ある捜査の過程で被疑者が自殺。その現場に遭遇し、それ以来自らの仕事に疑問を持つようになる。
やがて何をやるにも億劫でマイナス思考に陥り、遅刻・早退、登校拒否ならぬ出署拒否も増えた。
普通はこのあたりで上司がおかしいと気づくはずなのだが‥‥
「警察官も適性勤務管理、休める日は積極的に休む、長時間残業禁止」のムードを率先して実行する男と逆に評価され始める。
鬱なので仕事が嫌だから早く済ます、人間関係が嫌になってるから飲み会などせず早く帰る、上司の指示が鬱陶しいのでハイと答える。部下に任せたいのでシンプルで的確な指示を出す。
大山の悩みが深くなるほど、逆に風通しの良い明るい職場になっていく。
一方で大山は心療内科に通いカウンセリングを受け始めるが、同じ病院の待合室で悩みを通じて知り合いになった男が銀行員で暴力団の巨額の覚醒剤のマネーロンダリングに関わっていたことを知りたくないのに話され、その情報を元に覚醒剤闇取引の情報を入手し刑事部に報告し大賞賛を受けてしまう。
最初のコメントを投稿しよう!