5、「わらしべ刑事」

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5、「わらしべ刑事」

 吉祥寺署の新人女性刑事北村綾子には、子供のころからクセがあった。 それは『ひろい癖』。 気になるものがあると それが石だろうが ゴミだろうが エロ本だろうが 拾って帰って来ては押し入れにため込んでいた。 実家の頃は定期的に母親にガサ入れをかけられて 毎回大量のゴミ袋を出す始末。 やがて警察官になったが いまだにその癖は治らず 独身寮の部屋はゴミ屋敷の様相を呈す。 ある日、公園での傷害事件が発生。 刑事としても前のめりな綾子は現場へ急行するが 新人ということでなかなか前線には入らせてもらえない。 付近をうろうろ歩いていると 一枚の血の付いたハンカチを拾う。 本来なら鑑識に提出すべきところだが 普段ノケ者にされている恨みから ハンカチは申告せずに独自捜査をすすめ始める。 ハンカチの血液をちょうどすれ違った科捜研の知り合いに鑑定依頼をすると 何と天然記念物のトキの血液と分る。 なぜ東京にトキの血痕があるのか? たまたま昨日見たトキの特集番組を覚えていて。 綾子は溜まっていた有給をとって一路、佐渡島へ飛ぶ! 佐渡島署で最初に応対に出た職員が 偶然トキ保護会のメンバーで いきなり最近トキのつがいが1匹行方不明になっていた事を知る。     
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