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「…わたし、プロポーズされたの。」
「…そう。」
意を決して相談したのに奏多は顔色ひとつ変えずに短くそう答えた。
もう少し驚いたり、何か言ってくれてもいいじゃないか。
やっぱり奏多にとってはそんなものなのかもしれない。
わたしは一体奏多になんて言って欲しかったんだろう。
おめでとう?それとも…。
こんな時に昔諦めた気持ちを思い出すなんて。
「お前は、それで幸せ?」
「…え?」
すぐに幸せだと答えられなかった。
「俺は、お前が幸せならそれでいいと思ってた。
たとえ隣にいるのが俺じゃなかったとしても。
でも、そんな辛そうで泣きそうなお前見てられない。」
「それってどうゆう…」
腕を引かれて彼抱きしめられる。
「…そんな奴と結婚なんかすんなよ。」
「…」
抱きしめられてこんなことを言われたら
期待してしまう。
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