問1 これまでの選択

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それからの二択はたくさんあったが、今の僕に直結しているのは、6歳のときかな。 ア: 公立の学校 イ: 私立の学校 そんな二択を迫られた。 僕が選んだのは、ア。 そう、僕は最初公立を選んだのだ。 特に理由はない。 公立の小学校に通うこと5年。 うん、公立に通ってよかったなぁ、と思っていた。 親友がいて、友達もたくさん。 何1つ不自由はない。 僕の選択は正しかった。 はずだった。 あれ?と思ったのは、そんな小5の夏。 急に新たな選択を迫られた。 ア:海外の学校に転校 イ:私立の学校に転校 父の会社が企業拡大し、両親が海外に住み着くことになったのだ。 そこで、僕もついて行くという、アの選択肢と、私立の全寮制の学校に転校するという、イの選択肢とを選ぶことになった。 僕は迷わずイを選んだ。 海外なんて真っ平だ。 と、そこで気づく。 小学校入学前の選択でイを選んでいたら、この選択は無かったのではないか、と。 自分の人生は、自分の選択でなく、運命で決まっているのではないか、と。 「お前が公立を選んだから俺ら親友になれたんだろ。それは間違いなくお前が選択した証だ」 親友よ、良いことを言うではないか。 君とは離れ離れになってしまうが、これからも親友でいてくれたまえ。 なんて、僕はこんな性格ではない。 僕の性格は小学校に入学してすぐの選択で決まっている。 ア: おちゃらけ イ: クール 僕はイを選んだ。 おちゃらけとか疲れそう。 クールの方が楽そうだ。 と、言うことなので、親友の言葉はクールに受け止めた。
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