2章

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病院にといっても 今の状態でたどり着くなどは不可能だろうと 隣の住人に電話をしてもらい 僕は救急車で運ばれることとなった 隣の住人は 僕のことを知ってるらしく 快く応じてくれたのは助かった どうやら傷はたいしたことなく 軽く縫い包帯をして入院とまではいかなかった しかし記憶喪失なのだ 医師の話では 軽い脳震盪で一過性のものだと言うことだった 記憶の助けのために 回復してから町を歩いてみては と最後につけくわえてくれた しかし自分としては 一刻も早く記憶を取り戻したいとこなのだ ほんとうに空き巣に襲われたのか? なぜ携帯は壊されてたのか? 僕はタクシーで自宅に帰されたあと 回復を待たずにのろのろと町を歩くことに 見覚えがある公園 見覚えがある商店街 どれもが幻のように頭の中に浮かんでは消える ふと脳裏に涙を浮かべた女性が浮かんだ あの子は…
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