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「お前を護るためならなんでもするさ。」
「あ。言っとくけど、俺の神力は凄いよ? 永遠に縁を結ぶって事は愛があるから良いけどほぼ呪いに近いからね」ニコッ。
「呪いって…。」
「こういった力って紙一重なんだよね。表裏一体っていうの?」
「まあ、人間相手ならそうだな。転生を繰り返す毎に近い人もしくは伴侶となり側に居続けるからな。他の入る余地なしだしな。俺の嫁になるとちょっと意味合いが変わるけどな。俺の嫁になったら永遠を共にするから…。その覚悟はあるか?」
「永遠?」
「そう。元から死んだ後、伴侶になる話だったろ? それが早まるだけなんだが、肉体の死が訪れるまでは現界で生活してその後は現界と天界の間で暮らすのさ。今いるこの夢の世界が近いかな?」
「じゃあ、今結婚したとしても死なないの?」
「死なせない。寿命は全うすべきだろ。俺は神のような考えは持っちゃいねぇ。成長したら魂が穢れるって。高貴なる魂は何があっても穢れやしないさ。」
「お前は神じゃないからそう言えるのさ。」
「神様って大変ね。」
「そうだよ~。実は大変なんだよ~(笑)色んな制約に縛られているのが神様なのさ。万能ゆえの不便かな? で、どうするの? この夢現(ゆめうつつ)で式を挙げるかい?」
「俺は待てるからどちらでもだな。ま、出来たらすぐしたいけど。六華の気持ちが大切だから六華が決めたらいい。」
「私は、クロと付き合って決めたい。」
「直感では?」
「クロに惹かれるものがあるわ。これが好きって気持ち? だって私、好きになったことないからわからないもの。」
「徐々に知ればいいさ。先は長い。じゃあ、覚悟は決まったな!」
頬にキスをして、
「現世で再会しよう。夢から覚めて忘れるなよ? 約束の証に…そうだな。これやるよ。」
私の左の薬指に紅い石が埋め込まれた可愛らしいリングをつけ恭しくキスをする。
「すぐ会いに行く。さあ、もう目を覚ませ。」
「待って! クロ!」
その言葉と共に視界はグニャリと揺れ私は闇の中に落ちていった。
遠くでピピピピと音がする。
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