結魂狂詩曲《ウェディング ラプソディー》

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真面目とかそういう問題じゃないから! もう駅前だよ?こんな人が多いところで出来るわけないじゃない! 無理! 普通に無理だから! 例え夜だろうとこんなとこでなんて無理! 寝言は寝てから言えっての! 「じゃあ、今日は仕事後に待ち合わせしよう。一緒に飯食いに行こう。」 「ねえ、どこまで一緒に行くの?」 「まあ、すぐにわかるさ。」 あ。これ、いつも乗ってるやつだ。どうやら同じ電車らしいが……。電車の中では他愛のない話をした。 「あ。私、この駅だから!」 「俺も。」 そして同じ駅で降りた。 「え? 方向同じ?」 「まあね。」 「ねえってば、どこの会社なの?」 「すぐにわかるからそれまで楽しみに待ってろ?」 「今がいい。」 「…。じゃあ、六華からキスしてくれたら考える。」 朝っぱらのこんな会社最寄り駅で何を言っているんだ!この男は! 出来ない事を分かってて言ってるの?! 確信犯か! 出来ないって決めつけでそんな事言うなんてなんだか腹が立つ。 「…わかった。」 そう、私はそんなの出来ない振りをして横を歩くクロのネクタイを引っ掴み頭が下がった瞬間を狙って唇の横にキスをした。 「したわよ。さぁ、教えて!」 したり顔で言ってやったわ! そんなクロを見ると、口に手を当てている。そして耳は真っ赤。どうやら彼にとって予想外の展開だったみたい。 ごほん。と咳払いをして何も無かったように前を歩いて 「秘密。」 はぁ?! なんですと?私、約束守ったのよ?! 「嘘つき!」 「考えるって言っただけだろ?」 「しろしろ詐欺!」 「ぶはっ! しろしろ詐欺ってなんだよ。」 「ケチっ! 減るもんじゃないし教えてくれたっていいじゃない!」 「だから、すぐにわかるって。ほら、拗ねるな? 可愛い顔が台無しになるだろ?」 「可愛くなくていいよ!」 「子供みたいだな。ほんと六華は可愛い。ほーら、そうこう言っているうちに会社に着いたぞ。」
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