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「ふァ……。」
「フフ。いい顔だ。実に唆られるな。なぁ、俺のところに落ちてこいよ。俺がお前の全てを受け止めてやる。魂まで愛してやる。」
妖艶な笑みを浮かべながら六華の口の端から流れた出た透明な液体を親指で拭い唇に這わすクロ。
「お前の唇は美味いな。お前をモノにした時俺はどうなるんだろうな。」
六華を愛おし気に見つめていると背後から、
「クーロっ。ちょっと自重しなよ。公然で何するわけ? 六華がかわいそうでしょ? 今からおっぱじめるかと思って僕、ドキドキしちゃった☆」
「そんなことするわけ無いだろ! するんだったら誰も来ないとこでするわっ! お前達に六華のいい顔なんか見せねーよ!」
「その割には……。」
「うるせーぞ外野!」
「うわっ怖っ!」
「だいたいお前らにくれてやるくらいなら今直ぐ六華と契りを交わすわッ。」
「結魂するの?」
「ああ。神に持っていかせやしない。全力で護るさ。それに結魂したら誰にも手を出されないしな。」
「そうだね。僕も手を出せないしね。」
「ハクは…初めからそんな気無いだろ。」
「あれ~? バレてたんだ。」
「白々しいのな。お前は俺の片割れだろ。俺が六華と一緒になれるように仕向けてたろ。この神を近付けたのもハクか? 普通の神なら六華を見つけることは叶わない。俺の結界はやわじゃねーし。神魔共に退けるからな。俺は人間だけが六華の側に居ることを許してるからな。人間以外が手を出すなら俺のものにする。」
「クロさー。初めっから六華を自分のものにしとけばよかったんだよ。回りくどい事するから僕が根回ししなきゃならなくなったんだよ? 結局、六華は人間とは交われないんだよ。それは力ある者の定めなんだから。いい加減認めれば? 普通の暮らしは叶わないって。クロと添い遂げるほうが六華の幸せに繋がるんだよ?」
ぎゅっとクロに抱きしめられている私の頭上では会話が繰り広げられている。
だーかーらー! 私はどうして蚊帳の外なのよー!
「…私の気持ちはどうなるの?」
ふと漏らした言葉に皆が注目する。
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