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『前にも、似た撮影があったんですか?』
何かを思い出すって事は、以前そういう事があったのかな?と予想して言ったつもりだったんだけれど、全然違ったみたいで。
『……そうじゃなくて』
はあ、と深いため息を吐いた先輩が言葉を続ける。
『愛也と過ごした時と撮影内容が重なって。
スケジュールは先だし、気持ちを切り替える時間はあるから大丈夫だって思ってたのに、撮影当日も、モデルの子が愛也にしか見えなくて……』
『……』
そんな出来事があったなんて。
と、意外な事実に驚きを隠せない私。
だって先輩はどんな時もオンとオフを切り替えて、
仕事をする人だから。
『……何枚撮っても上手くいかなくて。
もう愛也だと思ってやろう、って、開き直って撮影したら、あのビジュアルが撮れたんだ』
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