3 恋バナとエピソード

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……そうだったんだ。 あの1枚が完成するまでに、先輩にそんな事があったんだ。 『へへへ……』 そう思ったら。 不謹慎だけれど、口元がふにゃっと緩んじゃって。 『何がおかしいんだよ』 案の定、ムッとした様子の先輩がすぐさま反応する。 『おかしいんじゃなくて……嬉しくて。 先輩がそんな風になっちゃうのって、私だからかなって、ちょっと自惚れちゃいました』 『……』 すると沈黙の後。 先輩は、何度目かの大きなため息をついて。 『よくそんな恥ずかしい事、本人を前に言えるね。 ……俺にはできないな』 えーーーっ!? いつもこっちが赤面するような事を顔色一つ変えずに言うのはどこのどなたですかっ!! とは言えず。 『……だって。 本人に言わずに誰に言うんですか、こんな事』
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