3288人が本棚に入れています
本棚に追加
「……大丈夫じゃないです」
いまだ固まったままの私がやっと口にした一言に、瞬君は、さもおかしいとでもいう風に、ぷっと吹き出して。
「期待以上の反応するね。
……おとなしく友達に徹したかいがあったかな」
え?
「友達に徹した、って……」
ふと引っかかった言葉に私が反応すると、トレーに手を掛けていた瞬君がこちらに向かって口を開く。
「……一目惚れだったから。
けど二人で普通に会話ができるようになるまでは、ヘタに動かずに時間をかけようと思って」
「……」
初めて耳にする事実のオンパレードにただ驚くしかない私。
「だから別に、今日って決めてたわけじゃなくて」
「そうなの?」
「言うにしても場所は選ぶでしょ。
たまたまここに来たら愛也ちゃんがいたから、声をかけただけだし。
けど、もう言おうかなって思ったら体が勝手に動いちゃって」
最初のコメントを投稿しよう!