王子様のフィアンセ

４ 新たな事実

最初はあくせくしていたけれど。

お母さんに話を聞いたり、一緒にキッチンに立ってみる事で、こうすれば早いとか効率が良いとかの、段取りを考えて動けるようになってきて。

この日もまず炊飯器のスイッチを入れて、メインのハンバーグを焼いて、その間に野菜を切ってサラダとコンソメスープを作ったら、先輩の帰宅時間まで何分かあったから、慌てて軽いメイク直しをした。

……やっぱり女の子だから。

彼氏には可愛いと思ってもらいたい生き物なんだよね。

そんな事を思いながら、ポシェットから携帯を取り出すと、５時半頃に先輩からメールが届いていて。

「……そっかあ……」

渋滞で帰宅がちょっと遅れるかも、という内容に、肩を落とす私。

……やだなあ。

数ヶ月は待てるのに、たった数十分が待てないなんて。