4 新たな事実

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会えなくなったわけじゃないんだから、ヘコんだりする必要ないのに。 「……ちょっとって、どのくらいかな」 けれど、そう思った直後にはもう口角が下がって。 あっ! いけないいけないっ。 せっかくメイク直ししたのに台無しになっちゃう! 笑顔で先輩を迎えたいと、への字の口元をどうにかしなくちゃと、ソファの上で一人、ミラーを片手に下がりつつある口角を指で引き上げたりしてみる。 「……」 ……何してるんだろう、私。 こんなのただの気休めで、指を離した途端にため息をついたりして、また先輩の帰宅時間が気になって居てもたってもいられないくせに。 と思うけれど。 私が笑顔だと先輩が嬉しそうだから、先輩の為にも笑顔でいたい。 そんな思いでミラーに映る自分と格闘していると。
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