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その言葉に、先輩の後ろにいた私は、辻さんに紹介されていると気づいて一歩前に出る。
「こ、こんにちは」
「こんにちは!
名前はなにちゃん?」
「愛也ちゃん」
私が声を発するよりも早く、隣にいる先輩が答えると、辻さんは「ん?」と怪訝な顔をして。
「なんでお前が答えるんだよ?」
「辻さんが鼻の下伸ばしてデレデレだから?」
「なんだと!?
相変わらず生意気だな、お前は」
そう言いながら、ハハと笑う二人は兄弟みたいで。
どんな関係性なのかが気になった私は二人に尋ねてみる。
「あの……先輩と辻さんは知り合いなんですか?」
「そんなものかな。
俺の知り合いにフォトグラファーの人がいて、その人に連れてきてもらったのが辻さんのお店で」
先輩の言葉に、辻さんが相づちを打つ。
「そいつと俺は元々友達でね。
クールぶってるけど意外ともろいから、もし直生が頼ってきたら力になってやって欲しいって託されたわけ」
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