4 新たな事実

26/46
前へ
/681ページ
次へ
本当は、疲れているはずなのに。 私がこうして迎える時は必ず笑顔で「ただいま」と帰ってきてくれる事が、嬉しい。 「……おかえりなさいは?」 そんな日々の出来事に幸せを感じていると、先輩の声がして。 あっ。 「お、おかえりな、さ……」 い? その声に急いで反応するも、目の前の光景に固まる私。 だって、ドアを閉めた先輩がなぜだか腕を広げて、私を見下ろしていたから。 「……」 さすがにこの状況で意図が分からないとはならないけれど、やっぱり心の準備がいるというか……、 「ほら早く」 「ほら早く」とか言われてもっ! と、相変わらずのおかまいなしぶりに怒りすら覚えたけれど。 会ったそばから空気を悪くしたくないと思い、私はそおっと先輩の背中に腕を回してみる。
/681ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3289人が本棚に入れています
本棚に追加