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「はい、優」
「ありがとう」
それから1週間経った、土曜日。
先輩の写真集の発売イベントを明日に控えた私は、
久しぶりに部屋へ来た優とテーブルを囲んでいた。
「明日はなに着ていくの?」
お皿のロールケーキをフォークで口に運んだ優が、
にんまりと笑う。
「……スカートにしようかな」
手元のグラスのカフェオレに視線を落としながら、小さく答える私。
実は、ワンピースもいいかもと思ったのだけれど。
デートじゃないしなあ、と、今回はライトブルーのスカートに袖がふんわりとしたブラウスを選んだ。
「明日はイベントとはいえ先輩に会えるんだから、可愛くしていかなきゃ」
「って言っても2、3分だと思うけど……」
「こういうのは時間じゃないってば。
今日は寝る前のパック必須だからね」
「わ、分かってるよ」
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