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『ずっと心に引っ掛かっていたのは愛也の事だけ。
それだけが、気掛かりで』
え。
「私?」
『そう。
フランスと日本を往復する生活が始まれば、今まで以上に会えなくなるから。
けどそれは愛也がどうこうっていう事じゃなくて、俺が耐えられるかどうかっていうだけなんだけど』
「……先輩……」
胸が、ぎゅうっとなった。
だって仕事の話にどんな決断を下すかは自由だし、私には関わりあいがない。
よもや判断材料の中に自分が加わっているなんて、全くの予想外だったから。
こんな表現をしていいのか分からないけれど、ものすごく感激してしまった。
『スケジュールによっては数ヵ月とか半年くらい、会えないかもしれなくて。
実を言うとギリギリまで返事を待ってもらった程、今回は私情挟みまくりで、仕事でそんな事初めてで、自分でも衝撃だった』
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