10 それは突然に

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「えっと、それは会った時がいいかなって。 今日はさっきの話の続きを聞きたいから……」 言葉を選びながら素直な気持ちを伝えると、先輩は『ごめん、調子にのった』と再び苦笑を漏らして。 フランス行きを決断した経緯を私に語ってくれた。 『最終的に俺の背中を押してくれたのは愛也だよ』 「えっ」 『一人で考えて、思った。 この仕事を続けていられるのはファンの応援とか、大嶋さんや事務所のサポートがあってこそだけど、やっぱり愛也の存在が心の支えだし、力になるし』 「先輩……」 『だから愛也が望んで俺の隣にいてくれる限りは、怠けちゃいけないなって。 それは、ファンに対しても同じかもしれないけど、俺が新しい環境に挑戦する姿を見てて欲しいから。すぐにとは言わないけど、愛也が受け入れてくれるなら、フランス行きの事も応援してくれないかな』
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