11 本音と建前

8/49
前へ
/681ページ
次へ
…………あっ!! 「会う事になったんだね。 わー、良かったじゃない」 およそ2ヶ月前の出来事を急いで思い出した私が、そうリアクションすると。 優は、ふんわりと笑って。 「こないだ連絡あってね。 4人で会った時の約束を覚えてくれてたみたいで、 もう飛び上がっちゃった」 「それは喜んじゃうよね。 約束を覚えてくれてたってだけでも感動するもん。 ちなみにどこに行くの?」 「彼が読書したい時に行くカフェがあるらしくて、今回はお任せするつもり」 そう話す表情は、完全に恋する女の子そのもので。 「なんだかデートみたい」 その様子を見ていた私が何気なく感想を述べたら、優は頬を赤く染め上げた。 「そんなのじゃないから! 二人で会うの初めてだし、向こうだって友達感覚で接してるはずだし、デートなんてまだまだだから」
/681ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3282人が本棚に入れています
本棚に追加