1 それからの二人

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腕時計を見たお母さんは「あら、もうお昼過ぎね」と言って。 二人で学校の近くの喫茶店に寄って帰る事にした。 「そういえば」 校門に向かって校庭を歩いていると、お母さんが、何かを思い出したように呟く。 「この学校にファッション誌のモデルしている子がいるみたいよ。 確か、小早川なんとか……」 「直生先輩っていうんだって」 「あっ! 興味ないフリして、実は調べていたんでしょう?」 にんまりとするお母さんに対し、私は声をあげる。 「ち、違うよ。 新入生の子が話していたのが聞こえただけだから」 「分かったから。 ……そんな慌てなくてもいいわよ」 と、さもおかしそうにくすくすと笑うお母さんの隣で。 私は、今度、あの人が載っているファッション誌を読んでみたいなとふと思った。
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