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あれから2年。
一学年上の先輩は去年高校を卒業した後、学業との両立の為にセーブしていた活動の幅を広げ始めて。
次第にモデル業界以外の人からも一目置かれるようになっていった。
その結果、企業のメーカーや有名アパレルブランドからいろいろな仕事の依頼が来るようになり、先輩はこれまで以上に多忙な日々を送っている。
それでも。
今日は私の卒業式だから、と。
カツカツのスケジュールをどうにか調整して、会う時間を作ってくれて。
卒業式を終えて学校を後にした私は、歩いて数分の所にある小さなパーキングの看板前で先輩を待つ。
「……」
……今日まで登校していたから仕方がないけれど。
ひさしぶりに会えるし、何か着替えを持ってくれば良かったなあ、と制服姿の足元に視線を落とす。
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