3 恋バナとエピソード

5/43
3241人が本棚に入れています
本棚に追加
/681ページ
……ヒントかあ。 先輩はストレートな性格で、いつもたった一言しか言わないし、その言葉を自分で言うのは恥ずかしいものがある。 そう思ったけれど。 これ以上ははぐらかせないと観念した私は、小さな声で呟いた。 「……か……可愛い、って……」 口にした直後。 かああっと顔が熱くなる。 と同時に、こんなセリフを恥ずかしげもなく言ってのける先輩の行動力?に、妙に感心してしまった。 「優しい彼じゃない。 ちなみにどんな洋服の時だった?」 え? 「どんな洋服の時?」 「うん。 それ、可愛いねって言ってくれたんでしょ?」 「……」 確かに。 先輩と会う日に買ったばかりの洋服を着ていたら、ふとした時に、可愛い、と言ってくれたような気がする。
/681ページ

最初のコメントを投稿しよう!