第1話。ねじれた恋の始まり。

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塩谷の目に迷いはないんだ。まるで自分の決心に決して揺れることがないと言うように 真っすぐな目で自分を見つめていた。 (フッ、そうか、、そうだよな。お前に付き合ってあげるよ。お前が望むことなら何でも、、  ったく、、塩谷、、お前っていう奴は大胆(だいたん)なのか、、  それともバカなのか・・ ) 「あ、これは昨日に整理したファイル!」 塩谷はカバンからファイルを出して岡崎に渡した。 「あ、」 手渡されたファイルを見た。 (俺の分まで準備しといたのか。たぶん夜明けまでやったんだろうな、、) 「なんだー、お前また仕事を持ち帰ったのか。家ではちゃんと休めバカ!」 「いや、別に、、」 「こら岡崎!!我が会社の優秀社員にバカだなんてーー  あんな不敬な言葉は口に出すんじゃないよ。」 「止めろ石原!お前こそ俺をバカにするんじゃないか。」 ハハハーーー 朝から軽い冗談で和気藹々(わきあいあい)な雰囲気になって 今日もみんな賑やかな一日になりそうだ。 岡崎は一緒に笑っている塩谷の横顔を見つめた。 (いや、お前はただの仕事の鬼だな。)
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