恋に落ちろ！

第３話.闇の中、心の叫び声・・

岡崎だってゆずるのことを恋人だと堂々と言えなかった。
別に自分の恋を明かす理由なんかないしまわりにゆずるとの恋が
ばれなくれ平板に生活していても心の片隅のどこかでは後ろくらい自分が存在していて
気が重かった。
それよりこの社会から部外者になるのが怖かった。
世間の偏見に向き合う勇気なんか自分は持ってない。昔も今もそうだ。
そして他人の同性愛に関する好き嫌いはあまり気にしない。
個人的な意見とか考えは尊重（そんちょう）する。
けどゲイだからとしてむやみに嫌悪（けんお）するのはやめてほしい。

塩谷だってそう思っていた。嫌悪する目で軽蔑（けいべつ）するような目で
自分を見つめていた。けっこう辛かった。ゆずるもそうだったはずだ。
あの時の塩谷の目つきはゆずるを初めて見た時の自分と同じだった。
岡崎もそんな軽蔑するような目つきでゆずるを見ていたんだ。
意地悪なゆずるのことだ。我慢できるわけない。
わざと自分に近づいてきたかも知れない。
それを気づいた時はもう遅かった。岡崎はゆずるに落ちたからだ。
だからどうしようもなかった。
岡崎はそれを分かりながらゆずるを受け入れたんだ。

塩谷との恋は叶わない夢だ。
自分の恋は塩谷に許してもらえない。元々自分には塩谷に恋を求める資格はないんだ。
塩谷からなかったことにすると言われたけどそんな簡単に忘れられることじゃないはずだ。
それに岡崎はもうゆずるとの恋で心も体も疲れた。一方的な恋はもうしたくないんだ。

気の迷いはここまでにする。
元々岡崎自分だって男が好きなわけないんだ。
いい女性に会ってみんなに祝福を受ける結婚がしたいんだ。
一人では寂しい。一家を構えて優しい妻と可愛い子供とあたたかい家庭で
幸せな日々を過ごしたいんだ。
自分が欲しかったのはこんな生活だった。
しかし知らなかった。恋っていつ、どんな形でどんなふうに来るのか
誰にも分からないっていうことを・・・
（そうだったのにな、、なぜここまでこじれてしまったかな・・・）