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  “VIZU”にメッセージを送った。配信されるもののリツイートをしたいということと、YouTubeの拡散、ブログの拡散、そしてシェア。  すぐに『Thank You』という返事がきた。それだけ。でも、それで充分。   “VIZU”に告げたことを実行していた。 ブログの記事も抜粋しながら、自分のfacebookに転記して紹介した。  攻撃を受けている村に、救援に行った赤十字スタッフの投稿を“VIZU”が訳している。 『・・・老人ホームから一緒に脱出することを望んだ人は三分の二。残りの人はそこに残ると言った。 〈ここは私たちの村、ここで産まれて、ここで育った。だからここで死ぬ。他にどこに行くところがあるの?〉  頑なに脱出を拒む人たちに、救助に行ったスタッフはどうすることもできずにその場を後にしていた。持ってきたすべての食料と水を置いて。』   “VIZU”は最後に締めくくっていた。 『アレッポ中に、こんな人たちがいることを知ってほしい。』  こんな記事を私が自分のフィードに上げたことを、友達が知ったらどう思うだろう。 偽善?  でも、きっと誰かはわかってくれるかもしれない。ヒシャブの少女の叫び。“VIZU”の、救援する人々の虚しさと祈り。     
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