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爆音と共に現れた謎の少女は、あまりにも不審過ぎた。
まだあどけなさが残る顔立ちで、年の頃は十四、五といったところだろうか。いかにも魔術師然とした立派なローブを羽織ってはいるものの、サイズが大きすぎるのかダボダボだった。それにあのローブ、どこかで見覚えがあるような……。
少女の肌の色は浅黒く、膝元まで伸びた髪は艶のある黒色だった。瞳の色は上等な宝石を思わせるようなセルリアンブルー。まず間違いなく、この辺りに住む人間ではないだろうとゴッドフレイは確信した。
この少女、口元は食べかすまみれのうえ、服の着こなしもなってない。はっきり言ってだらしがなさ過ぎる。しかし矛盾するようだが、どこか高貴そうな雰囲気も感じられるのだ。
まさか、貴族の家で育った箱入り娘が家出でもしたのか? むげに扱えば後々面倒の種になるかもしれない。ここは紳士的な応対を心がけよう。
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