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 人間。  あまりに信じられないような出来事が目の前で起こると、悲鳴すら上げられなくなるんだなって、初めて知ったよ。  その彼女。  長い髪で、顔は見えなかったんだけど、彼女の食べてた物がさ……  そのケースに入ってたものがさ……  色とりどりの、様々な形をした【爪】だったんだよ。  俺は固まったまま、逃げることも出来なかった。  当の本人は、俺が自分の前に立っている事すら気が付かなくて。  声を掛けられているっていうのにもかかわらず、俺の存在なんて無視で。  一心不乱に爪を  カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ  くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ  って食べてんの。  で、珈琲カップに手をのばしたと思ったら……
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