0人が本棚に入れています
本棚に追加
今、あなたはどこにいるの?
私、吉岡 茜(よしおか あかね)にはずっと好きな人がいた。
だけどもう彼には二度と会えないだろう。
彼はもう遠くへ行ってしまった。
彼はクラスでは目立つ方じゃなかったけど
私は、彼と仲がよかったと思う。
そう思ってたのは私だけなのかな?
私と二人でいるときの彼はみんなの前とは全然違った。
彼の名前は… 中山 晶(なかやま あきら)
あまりに喋らない彼はクラスメイトからは暗山って呼ばれてた。
私の前ではよく話すし、私のこと罵倒するくらい強気な子だった。
あの頃…
「晶。私に勉強教えてよ。」
「いくらで?」
「いくらでって、お金取る気?」
そう聞きながら私は笑いをこぼす。
彼もつられて笑う。
「分かったよ。こんど、ポテト奢ったげるから。」
「何が聞きたいの?」
私の方を見て彼は問う。
「えっとね、数学。分かんないんだ。」
私がそう言うと彼は嘲笑う。
「あんなのも分からねぇのか?茜は馬鹿だなー」
「酷いなー。晶。」
私はこんな罵倒されても嫌じゃなかった。
むしろ毎日こんなやり取りを重ねるたびに晶に惹かれていった。
「晶教えてくれてありがとう。テスト終わったらポテトLサイズ奢るから。」
最初のコメントを投稿しよう!