1.私の好きな人

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それからテストが終わって、私はすぐ晶のところなら行った。 「ごめん、今日は用事あるから。」 クラスにいると急におとなしくなる。 「そっか。じゃあまた誘うね。」 「ごめんな、茜。」 この時なんで、晶が謝ったのかよく分からなかった。 晶と最後に会ったのはこの日。 中学3年の秋。 私は好きって伝えることもないまま 晶に会えなくなってしまった。 何も言ってくれなかった。 電話も繋がらない。 どこにいるかももう分からない。 高2。 今も私の心の奥底に晶がいる。 その気持ちをずっとずっと。 どこかに封印している。 このまま忘れていくんだろう。 晶への思いを。 このまま消えていくんだろう。 晶との思い出も。 私は空を見上げる。 今日は雲ひとつない青空だった。 澄み切った空気。 この広い空の下 あなたは笑ってますか? 逢えなくても私達は同じ空の下で生きているんだ。 大きく深呼吸をする。 重かった体が少し軽くなる。 身体中に爽やかな空気が通う。 いつか。 もう一度。 君に逢いたい。
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