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それからテストが終わって、私はすぐ晶のところなら行った。
「ごめん、今日は用事あるから。」
クラスにいると急におとなしくなる。
「そっか。じゃあまた誘うね。」
「ごめんな、茜。」
この時なんで、晶が謝ったのかよく分からなかった。
晶と最後に会ったのはこの日。
中学3年の秋。
私は好きって伝えることもないまま
晶に会えなくなってしまった。
何も言ってくれなかった。
電話も繋がらない。
どこにいるかももう分からない。
高2。
今も私の心の奥底に晶がいる。
その気持ちをずっとずっと。
どこかに封印している。
このまま忘れていくんだろう。
晶への思いを。
このまま消えていくんだろう。
晶との思い出も。
私は空を見上げる。
今日は雲ひとつない青空だった。
澄み切った空気。
この広い空の下
あなたは笑ってますか?
逢えなくても私達は同じ空の下で生きているんだ。
大きく深呼吸をする。
重かった体が少し軽くなる。
身体中に爽やかな空気が通う。
いつか。
もう一度。
君に逢いたい。
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