ポケットの中のメモ

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 この冬。  母が突然亡くなった。  大好きで、いつも一番近くにいた大切な人。  それなのに、私は、冷淡な人間だからなのか?  バタバタとした日々のせいからなのか?  それとも……“亡くなった”という現実が受け入れられていないせいなのか?  周りがどんなに泣いていようが、涙を流す事は無かった。  それから数か月。  遺品整理を粗方終え、あとは、衣類関係をどうしようかと、悩んでいたものの。  生前、御洒落が大好きだった母の服は、品質が良く、二十歳以上年が離れている私でも、充分着れるような物ばかり。  背丈も体型も似ていたお陰で、サイズもほぼ大丈夫。  下着は流石に処分したけれど、衣類の殆どは、勿体ないから私が使う事にした。
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