モーテル

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モーテル

寂れたモーテルのバーの中 娼婦に酔っぱらいのじいさん この町を仕切ってると思い込んでる警官 マスターは 深いため息を吐き この現状に辟易していた。 アルバイトのやさ男に怒鳴るぐらいしか 彼の日常のストレスを埋めるものはない そこに1人の男が入ってきた 黒のロングコートにチノパン ボサボサの髪に無精髭 「いらっしゃい」 無愛想なマスターの声に反応して男は近づいてきた 「一晩たのむ」 「階段あがった右の部屋だ」 マスターから鍵をもらい男は階段をあがっていった 娼婦は それを見つめいそいそと後を追う 「ふん」 そんな光景を汚物を見るように眺めていたマスターに 「変な野郎だな」 と警官が近づいてきた 「かまわんさ。客は客だ 金さえ払ってくれたら文句はない あんたみたいにダニのようにへばりつかないだけましさ」 その言葉にゲラゲラ笑い 警官は酒の瓶をつかみ 自分の席に帰っていった マスターは、ため息をはき外を見る 「一雨きそうだな」
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