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マキと別れ、家に着いて自室に入ると、私は溜め息をつきながら制服のままベッドにダイブした。
口の中にまだ生クリームの気持ち悪い甘さが残っている。
横を向くと、鞄の下敷きになってキャラクターの顔が面白い形に歪んでいた。
アイスコーヒーが飲みたい。ブラックで。
ひんやりと冷たい掛布団に顔をうずめながら、私はそう思った。
甘いものは嫌いだ。
ベリー系もそんなに好きじゃない。
どちらかと言えば、チョコミントやブラックチョコなどの甘さが控えめな物の方が食べやすい。
鞄は何もつけずにシンプルなままにしておきたい。
ぬいぐるみをつけるなんて論外だ。
別にリョウコのことだって嫌いじゃないし、大人ぶっているなんて思ったことはない。
むしろ、マキが子ども過ぎるのだ。
というか、そもそも嫌いなら一緒にいなければいい。
本当はマキにぶつけたかった言葉の数々が頭の中で嵐のように暴れ出す。
しかし、マキの前でそんなことは言えなかった。
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