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ベッドから這い上がって、私はキッチンに向かった。
冷蔵庫を開けると、ペットボトルのアイスコーヒーが横倒しになって置かれていた。
私はそれをコップになみなみと注ぎ、あおるようにして一気に飲み干した。
ぷはっ、と溜めていた息を吐き出すと、なんだか少しだけもやもやしていたものがすっきりした。
口の中の生クリームも、少しだけ緩和されていた。
私は空になったグラスを見つめながら、くしゃりと顔を歪ませて苦笑した。
ここまでしなければ、私は生きていけないのか。
グラスに映った自分の顔が、私のことを嘲笑っているように見えた。
嫌われるのが怖かった。
いや、違う。
マキという、クラスの中での私の居場所を失ってしまうのが怖かった。
私はグラスを洗って、濡らしたままで適当に元の場所に置いておき、自分の部屋へと足を引きずるようにして戻っていった。
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