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じゃあ、何味ならいいかって?
もちろん、うすしおだ。
やっぱりそこは、数ある種類の中から迷わず『うすしお』に手を伸ばす男じゃなきゃ、ね。
『自分、ポテトチップスはうすしお一択です』みたいな。
誠実で、チャラくなくて、流行に飛びついたりしない、硬派な男。
そういう人なら、きっと浮気なんかせずに、一途に一人を愛し続けるに違いない。
というわけで、私が恋をするときの第一条件は、『ポテトチップスうすしおの男』なのだ。
そんな私は今、ばくばくと胸を高鳴らせながら、向かいに座った高田くんが食卓の上に置いたコンビニの袋を凝視している。
その中には、スナック菓子のパッケージらしきものが入っていた。
「……それ、ポテトチップス?」
思わず唐突に声に出すと、高田くんが首をかしげて「え? うん」と答えた。
「なんか急に食べたくなってさ」
「へえ……そっか」
まさか高田くんが今夜ポテトチップスを買ってくるだなんて、予想もしていなかったので、動悸がおさまらない。
いつもは、相手がポテトチップスを買うように誘導してあるから、私としては心の準備万端だったのだ。
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