あの頃から 万里side

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ミサは見た目とは違って気さくで、明るかったから話しやすかった。 だから、二人が仲良くなるのにそんなに時間はかからなかった。 「でね、メンバーが後一人足りなくてさ……」 「んじゃ、アタイが入ってやんよ」 「はっ?」 目をパチクリさせる私を、ミサは一瞬怪訝そうな顔をしながらこちらに顔を近付けてくる。……あの、怖いんですけど。 「嫌か?」 「嫌っ、別に嫌じゃないけど……私なんかで良いのかなって」 実は、ミサも私達と同じクラスらしい。 夜は友達とよく遊んで寝るのが遅くなるので、大体朝方になるから睡眠不足が絶えないんだとか。 「万里が良いんだよ」 「どういう事?」 「アタイ、他の連れとは学校違うから……いつも一人なんだよな。それに、万里の事もっと知りたいし」 キョトンとする私に、ミサは空を切な気に見上げながら言った。 私の事を……? もっと……? そんなの、初めて言われたよ。
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