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「な、何だよ……」
「今日絶対に見付けたいの!! 見付けるまで帰らない!!」
「あー……分かったから、怒るな」
―――…
それから約一時間……茂みの奥の方に、四つ葉のクローバーはあった。万里は嬉しそうに二本持って、高らかに上げている。
「はいっ、これ。」
「は? 俺に? これ、小谷のだろ」
何と、一つを俺にくれたんだ。
俺は何もしてないのに……
俺の言葉に、万里は“ううん”と首を振る。
「一緒に探してくれた、お礼!!」
そうやって万里は眩しい笑顔を放った。
なんだ……コイツ、笑えんじゃん。
俺はクローバーを受け取りながらひっそりとそんな事を思った。
また、ある日。この日は雨が凄かった。
土砂降りの大雨。天気予報では晴れだった……ハズなのに。まぁ、傘は持たされて来たから……これで帰るか。
と、思って校舎を後にしようとすると万里が屋根の先の方で佇んでた。……傘、忘れたのか? まぁ、出る時晴れじゃあなぁ……
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