恋の始まり

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今日ある祭りと言えば幾千願祭だろう 神様が何人もの願いを叶えてくれると信じられている 祭りでその神様に感謝を示す祭りだ 規模はなかなかに大きく人混みも凄い事になる 「最後に千夏と来たのは何年前だっけかな」 「五年前だったかな その時の私の願いそろそろ叶ってくれても いいんだけどな」 「俺の願いも叶いそうに無かったな 何か食べたいのとかあるか?」 既に時間は六時五十分になろうかという所だった 「それじゃりんご飴買ってよ それとね、あの山まで押してくれないかな? 七時からは花火が打ち上がるから」 そう頼まれりんご飴を二つ買い少し離れた 山まで千夏を押していった 「懐かしいなこの場所」 俺は辺りを見渡した 周りは静寂に包まれており時折虫が奏でる声と 草木が風に揺らされる音のみが聞こえる 俺はベンチに腰を掛けて千夏をその隣につけた 暫く真っ暗な空を見上げていたら千夏が小さな声で話しかけてきた 「私ハルに謝らなきゃいけない事があるの」 視線をそのままに千夏がゆっくりと話し始めた タイミングを合わせたかのように花火が夜空を 彩り始めた
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