恋の始まり

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3日後俺は千夏の病院へと足を運んでいた 空は快晴で風が心地よかった だがそれは俺の目には色付いておらず曇り空に見えた 何故なら今から想い人がどうなったかを知るからだ 1歩足を進める事に心臓が速く脈打ち 心音が大きく自分へと聞こえる 下を向いたままゆっくりと病院内へと歩く すると人にぶつかってしまった 「あ、すみません…」 俯いたままそう言葉をかけた すると聞きなれた声が耳を撫でた 「なーに俯いてんの 顔上げてよハル」 ぶつかった相手は千夏だった 車椅子に乗っておらずフラつきながらだが 自分の足で立っていた その瞬間灰色だった今日が色を付けて 俺の目を輝かせた 涙のせいでボヤけていたが今日のこの景色を 忘れる事は出来ないだろう 「千夏…」 俺の言葉を遮るように千夏が言葉を被せてきた 「ねぇハル、あの花火の日の言葉の 続きを聞かせてよ」 そう言われた 俺は涙を流しながら言葉にした 「千夏…お前の事好きだよ これからも一緒にいてほしい」 すると千夏は抱き着いてきてそっと耳元で 言葉を紡いだ それは確かに俺の耳へ聞こえた そして再び涙を流し空を見上げた 空はとても綺麗に澄んでいた (神様…私の願いは叶ったよ) 千夏は最後にそう心に呟き涙を流した
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