落ちる

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初めて会った日に、恋に落ちた私。 初めて会った日のデートはそれはそれは楽しくて、次のデートまでが楽しみ過ぎて、たったの一週間がもの凄く長く思えた。 そして、次の土曜日。 遠足の前の晩みたいにワクワクして眠れなかった私は、明け方になってようやく眠りに落ちた。 目が覚めると予定よりもずっと寝過ぎてて、焦りながら用意をした。 だから髪もメイクもいつも通りにしか出来なかった。 ホントなら早起きして念入りにお洒落して行こうと思ってたのに、どこまでも残念な私。 今度は私の家の近くのコンビニまで来てくれた晴翔。 前日まで散々悩んでたのに、それでもギリギリまで服や靴に迷った私が、待ち合わせ時間ちょうどに着くと、もう既に晴翔の車が停まっていた。 「ゴメンね、けっこう待たせちゃった?」 「いいよ、大丈夫。俺もここまで来るの初めてだったから時間が読めなくて。間に合って良かった。」 太陽みたいな笑顔でそう言った。 その笑顔を見ただけで、私の胸がキュンってなった。 …ああ、なんかこの笑顔、、好きだ… 「どーしたの?」 「えっ? あ…、う、ううん、何でもないよ。いい天気で良かったねー。」 「そうだねー、ドライブ日和だね。」 そう言いながら晴翔が車のドアを開けてくれた。 「どうぞ、お姫さま。」 「お姫さまとかガラじゃないしー。でも、ありがとー。」 そんなコト言われた事が無いから、もの凄く照れくさかったけど誤魔化して車に乗った。
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