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初恋*
この恋は初めてだらけで。
その日から私たちは恋人同士になった。
「俺たちは、今日から恋人同士だからな。咲花は俺の彼女で、俺は咲花の彼。 分かった?」
「うん。…なんか…、照れる…」
初めての“恋人”と言う響きになんだか胸の奥がムズムズする。
晴翔は、照れ臭くて恥ずかしくて俯いてモジモジしてる私の手を取って、そのまま指を絡めて恋人繋ぎをしてくれた。
私は恥ずかしくて更に真っ赤になった顔をもっともっと下に向けた。
「ね、こっち見て?」
「ムリ!」
「なんで?」
「だって、恥ずい…。」
「咲花の顔が見たいんだけど…、見せて?」
そんな甘い声でおねだりされたら逆らえないよ…。
私は、そっと晴翔を見上げた。
「やっと見た。 咲花、可愛いよ。」
そう言うと、思いがけない晴翔の言葉に固まった私の唇に何かが触れた。
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