私の知らない私を見つけてくれた

始まり

私、井上咲花(いのうえさやか) 16才。

花の(笑)高校二年生。

花が咲く様な可愛らしい女の子に育って欲しい、と親が付けてくれた名前に、完全に負けてる地味女。

華やかさのかけらも無い童顔な上に小柄なせいで、年相応に見られた事は一度も無く、いつも中学生に間違われるメガネ女子。

髪は一度も染めたことのない、真っ黒で長い前髪を横分けにして耳にかけている。

シャレっ気なんかどこにも無い、ただ単に切り揃えられただけのショートカット。

母の妹である叔母が美容師なので、いつもカットはその店でタダでしてもらっている。

もちろん年令＝彼氏いない歴。

そんな私が、何故かこの見知らぬ男性と、これからデートをする事になっている。