始まり

3/5
前へ
/77ページ
次へ
明るめの茶髪にハットを被った晴翔は、サングラスを外した。 ハットにサングラスなんて、凄くオシャレな格好をしていた彼の素顔は、どちらかと言うとダサいくらいに地味で。 地味さに関しては、決して私も人の事は言えないけれど。 いや、決してブサイクなワケじゃない。 けれど、サングラスの下の目はとっても細くて、もとい、切れ長の瞳で、もっとぱっちりした瞳の男前を想像してたから、そのギャップが良い意味で私の緊張を解いてくれた。 思わずプッと吹き出す私を見て 「人の顔を見て吹き出すとか失礼な女だな。」 「あ、ごめんなさい、そんなつもりじゃ…」 「そんなつもりって、どんなつもりだ?」 「え? あっ…、いえ、あの、、その、、」 焦ってドギマギする私をからかうみたいに、 「ウソウソ、そんなに焦んなくて良いから。 俺がイケメンじゃない事は、自分でよく分かってるから。」 そう言って晴翔は優しく微笑んだ。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

269人が本棚に入れています
本棚に追加