3人が本棚に入れています
本棚に追加
「ママ。パパに甘えまくりだったのね?」葉瑠が俺に甘えながらあやめを見る。
「ち、違うわよ。パパにだきついたのは初めてだったのよ。」
「パパァ?」ヤバイ。葉瑠の必殺技が…。
「だっこは初めてだったけど、手を繋いだり、腕を組んだりはもっと前からだったな。」
「お母さん、まだ付き合ってないんでしょ?」綾花には考えられないようだ。
「そ、それは…。お父さんの手は安心…。」「はい、はい。うらやましいです。私岳斗君と手を繋いだことないのに。」
「もぅ、裕ちゃんはおしまい。ここからは私が話す。」
裕ちゃんから主導権を奪う。これ以上はなに話されるかわからないわ。
裕ちゃんに抱っこされて落ち着いた私は今日の出来事を話す。
小春ちゃんはお父様の娘だった。三重に出張に出ていたお父様は、お母様そっくりだった静江さんと恋仲に。
三重で小春ちゃんが産まれて、次の月に私が産まれた。私が三重に転校することになり、鉢合わせになるのを恐れたお父様は、静枝さんを秘書として採用し、東北へ呼び寄せた。
お母様と静枝さんは幼少の時生き別れた双子の姉妹だった。
お父様がこちらに来た理由は先ほど書いたが、静枝さんと小春ちゃんを残していくわけにもいかず…。
お父様は再婚を決意。小春ちゃんと私には全く知らされず、帰ったら小春ちゃんがいて…。
私はあまりに急な話に我を忘れて飛び出してしまったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!