お母さんの恋の始まり

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「帰ろう。みんな心配してる。」 裕ちゃんが手をさしのべてくれる。 私は迷わず手を握る。 「痛っ!!」私は足を押さえる。 どうやら靴擦れをおこしたらしい。 「ほらっ」私をおんぶしてくれる裕ちゃん。 二人で夜道をあるく。 「ゆうちゃん、ありがとう。」 「えっ、ゆ、ゆうちゃん?」 「今だけ、今だけでいいからそう呼ばせて。」私は真っ赤になってる。 「あ、ああっ、今だけね。あやめちゃん。」 !!あやめちゃん?私をそう呼んでくれた? 私はぎゅっと裕ちゃんにしがみついた。 少しよろけながらもしっかりと受け止めてくれた。 「そうだな。俺もこの時からあやめのことを好きだと気づいたな。」 「えっ、そうだったの?じゃあ、いってくれたら?」 「あやめとの仲を壊したくなかったからな。」 「私達はホントに一緒だったのね。」 「これが両親の恋の始まりだったのね。」 「ふぅん、私にはまだそんなのないな。」中2の舞花にはまだ早いようね。 「私にはパパがいるからいいもん。」 葉瑠花は裕ちゃんに甘える。 「…。」ふん、小4の娘にヤキモチなんて…。私との恋の話してるのに、娘に抱きつかれてニコニコするなんて…。 霧に潰れてしまいなさい。 押し潰されてペコペコするゆうちゃん。
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